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TSKニュース&トピックス

平成18年7月号

会社法で活用しやすくなった組織再編行為

阿部

この5月に施行された会社法では、有限会社の廃止等、多くの改正や新しい制度の新設が行われており、今後の会社経営にも、大きな影響を与えることが予想されます。なかでも、組織再編に関する規定は、適用範囲の拡大や要件が大幅に緩和されており、中小企業をはじめ多くの企業が実施しやすいよう改められています。
そこで今回は、会社法内の組織再編に関する規定の一部について、簡単にご紹介したいと思います。

1.合併等の対価柔軟化

会社が他の会社を吸収合併する際に、消滅会社(被合併会社、合併により消滅する会社)等の株主に対して交付される財産(対価)は、従来は、原則として存続会社(合併会社、合併後も存続する会社)等の株式しか認められていませんでした。しかし、会社法では、存続会社等の株式に限定せず、現金のみを交付する「現金合併」や、存続会社の親会社の株式等を交付する「三角合併」も認められることとなりました。
ただし、この対価柔軟化に関する規定は、企業が買収の対象となるリスクも高めるため、防衛策を整備する期間が必要とする産業界からの要望により、施行が1年先送りされ、平成19年5月以降となります。

2.簡易組織再編の範囲拡大

従来、会社が合併等の組織再編を行う場合に存続会社等が消滅会社等の株主に対価として交付する株式が存続会社等の発行済株式総数の5%以下の場合には、存続会社等の株主総会を不要とし、取締役会決議で足りるとする簡易組織再編制度が規定されていました。会社法では、「交付する株式その他の財産額が存続会社等の純資産額の20%以下」と適用要件が大幅に緩和されました。
 

3.略式組織再編制度

従来は、組織再編行為については、原則として当事会社双方の会社の株主総会決議が必要とされていました。しかし、一方の会社(支配会社)が他方の会社(被支配会社)の議決権の90%以上を支配しているような関係の場合は、被支配会社の株主総会では支配会社の意向に沿った決議が行われるのが明らかなため、事務手続きの簡素化を図るため、被支配会社の株主総会決議を不要とする略式組織再編の規定が新たに制定されました。