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TSKニュース&トピックス

平成26年7月号 No.116

「贈与」を活用して相続大増税時代を乗り切る

税理士 守屋 めぐみ

相続税基礎控除額が現行の6割に縮減(5,000万円が3,000万円に、1,000万円が600万円に縮減)され、更に税率構造が見直されることにより「相続税大増税時代の到来」等、マスコミで大きく取り上げられた改正相続税の適用がいよいよ来年の1月1日相続開始分からスタートします。大切な財産をお子様やお孫様へ確実に承継させるために、今、検討が必要なことは生前贈与制度の上手な活用です。相続開始前の親から子への財産の移転が贈与であるのに対し、相続開始後の財産の移転は相続です。贈与と相続は密接な関係にあり、だからこそ上手に生前贈与制度を活用すれば大幅に相続税を節税できます。 今月から12月まで毎月、「生前贈与」を取り上げて解説して参ります。今月は、『贈与の意義、課税方式』について解説します。

贈与の意義・・・「贈与は契約」、一方通行では成立しない

贈与とは無償で個人が所有している財産を他の個人へ与えることをいいます。贈与は、「○○さんへ現金500万円をあげます。」という贈与者の意思表示に対し、「△△さんから現金500万円をもらいます。」という受贈者の意思表示があって成立する契約です。

贈与の課税方式・・・両者の特徴を整理し、有利な課税方式を選択する

贈与税は暦年課税方式と相続時精算課税方式があり、どちらかを選択することができます。ただし、相続時精算課税方式を選択するとその贈与に係る贈与者からのその後の贈与では、暦年課税方式は適用できません。

(1)暦年課税方式

1月1日から12月31日までの1年間に個人からもらった財産を合計し、その合計額が基礎控除額(110万円/年)を超える場合、その超える分に対して贈与税が課税されます。基礎控除額を超える財産の取得があった場合には、翌年3月15日までに贈与税の申告・納税が必要です。

(2)相続時精算課税方式

相続時精算課税方式を選択すると2,500万円までは贈与税は発生しませんが、贈与税が発生しない場合でも翌年3月15日までに申告が必要です。この方式により取得した財産はその後、実際に相続が発生したときに相続財産に加算して課税価格を算定し、相続税額を算出します。贈与を受けたすべての財産が贈与時の価格により課税価格に加算されるため、将来値下がりが予想される財産は不利となります。 

Column

平成25年分の贈与税の申告をした者は49万1千人(前年比12.6%増)、申告納税額1,718億円(同31.1%増)であることから、いずれも平成27年1月からの相続税増税を見据えて生前対策が講じられていることが窺われます。

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8月号では「相続税調査時に”否認されない“暦年贈与のポイント」について解説します。

TSK Information

今月よりコーポレート部門・資産税部門・FAS部門がそれぞれが月に各1回(合計月3回)TSKニュースを発行することになりました。これまで以上にタイムリーに情報提供ができるように、一同鋭意努力して参りますのでどうぞ宜しくお願い申し上げます。