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TSKニュース&トピックス

平成26年8月 下旬号

経営者たる者は決算書を使いこなすべし

公認会計士 鏡 高志

前回は決算書(財務三表)の仕組みをご説明しましたが、第2回目の今回は、決算書を利用した財務分析についてお話しします。

決算書を利用した財務分析

決算書を5期分並べて、増減をとってください(これだけでも『時系列分析』

 大きな増減項目の理由は把握できていますか?

 利益率や回転率は悪化していませんか?

決算書を利用する財務分析は、資料の入手が容易であるため簡単に実施できるということが一番のメリットであり、異常点や変化の兆候を発見することが目的です。ここで目星をつけ、より詳細な分析への糸口とします。

詳細な分析への糸口という意味では、同業他社の財務数値と比較分析することも有用です。
(『同業他社分析』)

中小企業庁が公表している『中小企業実態基本調査』や上場会社の『有価証券報告書』など、公表されている同業他社数値と比較することで、自社の強み、弱み、特徴を把握し、要改善ポイントを探ります。ただ、上記分析のいずれにも共通していえることですが、比較可能性を担保しなければ(例えば会計方針の変更、粉飾決算の有無)、分析の効果が著しく落ちてしまうこと、定量的な結果に捉われすぎて定性的な情報を軽視してしまうと、誤った結論を導いてしまうこともあるので要注意です。

また、数字にするということは、感覚を『見える化』することになります。
実は、この『見える化』が経営改善を図る上では、もっとも重要です。

 

当たり前のことですが、数字として客観的なデータを示されれば、誰も反論できません。同時に、その数値をスタートとして、その後の改善(悪化)も目に見える形になるため、改善のために行っている取組(アクションプラン)の効果を実感することができ、モチベーションにつながります。

最後に、財務分析の切り口ですが、大きく4つに分類されます。

収益性:どれだけ儲ける力があるのか

安全性:債務の支払能力は十分か

成長性:業績の伸びはどの程度か

生産性:いかに効率よく稼いでいるか

上記4つの切り口の主な財務指標の定義や内容は、次回にご説明します。