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TSKニュース&トピックス

平成28年11月 第2号

今からでもできる相続対策 生命保険金の活用 3

税務部門 税理士 伊藤 博昭

生命保険は相続税の対策として非常に有効な手法の一つです。平成28年7月号及び10月号のTSKNEWSでもその有効性をご説明しておりますが、今回はさらに「代償分割のための生命保険の活用方法」についてご説明させて頂きます。

1.代償分割とは

父に相続が発生し、遺産である相続財産が自宅不動産4,000万円と現預金2,000万円の場合(遺産総額6,000万円)を考えてみます。法定相続人は長男及び長女です。

遺産総額6,000万円を長男と長女で法定相続分通り平等にしようとすると、長男及び長女で3,000万円ずつ分ける必要がありますが、自宅不動産が4,000万円であるため、自宅不動産を共有などにすることが必要となります。

共有名義にすることで解決できるかのようにも思えますが、共有名義は、①共有者全員の同意がなければ自宅の売却や取り壊しなどができない、②共有者に相続が発生すると共有者の相続人に持分関係が枝分かれし、権利関係が複雑になってしまう、などのデメリットがあります。

そこで、代償分割により平等に分割する方法が考えられます。代償分割とは、例えば、長男が自宅を承継し、長男から長女に1,000万円の現預金(代償金)を渡すことなどにより、遺産分割のバランスを調整する方法のことをいいます。以下代償分割のイメージです。

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なお、代償分割により、長男から長女に1,000万円の現預金(代償金)を渡すことになりますが、相続による遺産分割の一部として代償分割を行いますので、贈与税が課税される心配はありません。

2.代償金の準備のための生命保険金の活用

代償分割するためには、長男は現預金(代償金)1,000万円を準備する必要がありますが、金額が高額であるため、その準備が困難な場合が多く、代償金の準備が間に合わないことになり、分割協議が合意に至らず、最悪の場合には、長男と長女で争族に発展してしまうこともあります。

そこで、生前に、長男を受取人とし、被保険者を父とする1,000万円の生命保険に加入します。長男が受け取る保険金は相続財産ではなく、受取人である長男の固有財産であるため遺産分割の対象にならないことから、長男の意志により、代償分割のための代償金として活用することができます。

生命保険を考える場合には、契約者などの契約形態等によって課税される税金(相続税、贈与税、所得税)やその効果が異なります。生命保険を上手に活用するたるためには、目的に合った生命保険に加入する必要があります。税金対策で生命保険加入の検討をされる場合には弊社担当者までご相談ください。