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TSKニュース&トピックス

令和元年9月 第3号

事業分析の手法③ ~バリューチェーン分析~

FAS部門 中村 太樹

事業分析の手法をテーマにした第3回目としてバリューチェーン(価値連鎖)分析についてご紹介いたします。この分析手法は、第一回でご紹介したSWOT分析の内部環境を把握するためにも用いることができます。

バリューチェーン(価値連鎖)分析

バリューチェーン分析は、事業活動を機能ごとに分解し、どこの機能で価値(他社との差別化や低コスト)が生み出されるのか、どの部分に自社の強み・弱みがあるかを分析する際に用いるフレームワークです。事業活動を「主活動」(製造、マーケティング、販売といった製品やサービスを顧客に直接的に提供する活動)と「支援活動」(経理や人事と間接的な活動等)に分け、自社が競合他社より「強み」又は「弱み」となる活動はどこなのかを分析します。
 
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具体的な手順としては、
  1. 自社の業態や業界の活動項目を整理し、標準的な主活動と支援活動が何になるのかを把握します。
  2. 各活動が決まったらそれぞれの活動にどのくらい時間やコストがかかっているのかを把握します。 コストや時間を把握をすることで、収益性などをはっきりと認識することができ、無駄な部分が浮き彫りになります。
  3. 各活動について、競合他社はどのようになっているかについても同様に書き出します。
  4. バリューチェーン全体を眺めながら、業界または業態で価値を創造するために重要な活動を把握し、 その上で、自社が競合他社と比べて活動項目ごとにどうのような「強み」又は「弱み」を持っているのかを分析し、今後どの活動に経営資源を配分するかなど事業戦略を策定する上での検討材料を抽出します。
但し、バリューチェーン分析だけでは、
•分析対象の企業に外部にある資源の競争優位は考慮できない。
•外部環境の変化を考慮できない。
•自社内の価値のある活動が持続的なものなのか判断できない。
といった短所がありますので事業分析の手法の第二回で紹介した「PEST分析」、「ファイブフォース分析」といった外部環境要因分析や、自社の経営資源が市場における競争優位性があるかを分析する「VRIO分析」といった分析手法を合わせて行うことでより効果が発揮されます。
 

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<執筆者紹介>

FAS部門 中村 太樹
一般事業会社で経理業務・建設コンサルタント会社でコンサル業務を経て髙野総合会計事務所に入所。現在は中小企業の事業再生業務やM&Aなどのデューデリジェンス業務に従事しています。