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TSKニュース&トピックス

平成23年12月号

過年度遡及会計基準を適用した場合の税務上の取扱いについて

公認会計士 桑原 寛

国税庁より「法人が『会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準』を適用した場合の税務処理について(情報)」の別紙として、過年度遡及会計基準の税務処理に関するQ&A方式の資料(以下、「Q&A」という。)が平成23年10月20日に公表されています。Q&Aにおいては、別表調整に加えて、損金経理や修正経理の取扱いを示しており、損金経理については、減損損失の修正再表示に関する内容が示されています。『会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準』については、TSK NEWS10月号で解説していますので、今回は税務上の注目すべき取扱いについて解説します。

1.税務処理への主な考え方

 Q&Aの概要において、税務処理への主な影響の考え方が以下のように示されています。 

TSKニュース①.GIF

2.修正再表示と損金経理の関係

過年度の誤謬について、過年度遡及会計基準では損益計算書を経ることなく、累積的影響額を期首の資産や純資産額などに影響させる修正再表示を行い、前期損益修正損などの経理処理は行われません。Q&A(問6)では、修正再表示と損金経理の関係について、減損損失の計上漏れを設例として取り上げており、減損損失は償却費の損金経理に含まれ、修正再表示の処理の修正額は損金経理の修正結果と同じとなるため、損金経理したとされることが示されています。過去の誤謬に対する修正再表示は、前期損益修正損などの処理と違って損金経理が行われないものの、最終的な修正結果は等しくなります。そのため、結果が同じであるにもかかわらず経理処理の違いだけで、一方の処理方法だけ適用を認めることはないとの見解が示されています。したがって、過年度遡及会計基準の遡及適用や修正再表示も、損金経理したものとみなされると考えられます。上場株式など有価証券の評価損についても、同様の考え方となります。

Column

本年も残すところ、あと1カ月足らずとなりました。本年も変わらぬご厚情を賜り厚く御礼申し上げます。
毎年この時期になると、お客様から、年内に何とか終わらせたいとか、ここまでは年内にやって欲しいといった御要望を多く受けるようになります。
我々職員一同も、そうしたご要望に応えて新年を気持ちよく迎えられるお手伝いができるよう、まさに師走の時期を奔走いたします。年末の休みや祝日の関係で、通常月より営業日数も少なく、年に一度の忘年会等のイベントも大事とあって、朝から晩までフル回転の覚悟が必要となります。
年内にやるべき事を本当に全て対応できるのか、不安になったりもしますが、過去振り返ると、毎年、仕事納めの最終日の夜に、何とか無事終わってホッと安堵してきました。
何はともあれ、この時期、一番大事は、体調管理ですね... 

TSK Information

◆当事務所編著「実務解説税務と会計の違いがわかる本」が、平成23年11月20日に中央経済社より出版されました。

 ⇒URL:http://www.takanosogo.com/publish/2011/11/post-26.php 

◆当事務所編著「ケース別会社解散・清算の税務と会計(第3版)」が、平成23年11月30日に税務研究会出版局より出版されました。

 ⇒URL:http://www.takanosogo.com/publish/2011/11/3-1.php 

◆当事務所の税理士村野が執筆致しました「消費税仕入税額控除95%ルール見直しの実務対応」が税務通信11月14日号に掲載されました。