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近年、ChatGPTをはじめとする生成AIが急速に普及しており、企業においても業務効率化や生産性向上への活用が進んでいます。一方で、「自社のどの業務に活用できるのか分からない」という企業も少なくありません。今回は、2026年版中小企業白書を基に、中小企業におけるAI活用の現状と、生成AIを業務に取り入れる際のポイントについてご紹介します。

1.中小企業におけるAI活用の現状

2026年版中小企業白書によると、2019年以降の省力化投資のうち、AI活用に「取り組んだ」と回答した中小企業は30.3%となっており、約3割の企業でAIの活用が進んでいます。また、AI活用に取り組んだ企業のうち、バックオフィス部門では73.4%、営業・販売・顧客対応部門では68.2%がAIを活用しており、主に文章作成や要約、資料作成、情報整理、顧客対応などで活用されています。また製造・生産管理・物流部門においても31.2%が「必要性は認識しているが、活用には至っていない」と回答しており、現時点では他部門と比較してAIの活用率が相対的に低いものの、今後の活用余地があることがうかがえます。

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2.AIを活用していない最大の理由

一方、AIを業務で活用していない理由としては、「活用する業務がイメージできていない」が63.4%と最も高く、「活用を推進する人材が不足している」40.0%、「社内ルール・ガイドラインが整備されていない」26.2%を上回っています。この結果から、AI導入における課題は、必ずしも費用やシステム面だけではなく、「自社の業務のどこで活用できるのか」を具体的にイメージできていないことにもあると考えられます。生成AIであれば、例えばメールや社内文書の下書き、会議内容の要約、資料の整理、翻訳、営業資料のたたき台作成など、比較的身近な業務から活用を始めることができます。

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3.まずは身近な業務から活用する

白書では、生成AIを実際の業務に活用している企業として、光学機器の輸入販売を行う商社である株式会社オプトサイエンスが紹介されています。同社では、海外論文の要約や英語マニュアルの翻訳、営業資料の作成、広告の訴求ポイントやキャッチコピーの検討などに生成AIを活用されています。その結果、営業担当者の業務負担軽減に加え、広告へのレスポンスも平均で2倍以上に増加したとされています。このように、生成AIの活用に当たっては、当初から大規模なシステム導入を行うのではなく、まずは日常業務の中から「時間が掛かっている作業」や「繰り返し行っている作業」を洗い出し、小さく活用を始めることも有効です。また、生成AIの利用に際しては、機密情報や個人情報の取扱い、生成された内容の正確性の確認などにも留意し、社内で一定の利用ルールを定めた上で活用していくことが重要です。

 人手不足が続く中、AIは単に人員を削減するためのものではなく、既存の従業員の業務を補完し、より付加価値の高い業務に時間を振り向けるための手段の一つと考えられます。まずは身近な業務から、自社に適した活用方法を検討してみてはいかがでしょうか。

執筆者紹介

FAS部門 刈田 浩次郎

一般事業会社を経て、税理士法人髙野総合会計事務所へ入所。
現在は事業再生業務のデューデリジェンス業務等に従事しています。

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