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TSKニュース&トピックス

平成20年2月号

事業承継税制をめぐる動向

税理士 大村

今回のTSKニュースは今国会で抜本的改正が予想される事業承継税制の動向をご報告します。

1.平成20年度税制改正大綱のポイント

平成20年度の税制改正大綱において「中小企業の事業の継続の円滑化に関する法律」(仮称、以下「事業円滑化法」という)の制定を踏まえ、平成21年度の税制改正において「取引相場のない株式等に係る相続税の納税猶予制度」の創設が発表されました。この改正にあたり、相続税の課税方式を「遺産取得課税方式」に改めることも検討されることになりました。


(1) 取引相場のない相続税の納税猶予制度の創設
事業承継を社会的に支援するための制度が創設されました。事業承継相続人が一定の非上場株式を取得・経営していく場合には、その事業承継相続人が納付すべき相続税額のうち、相続等により取得した議決権株式等に係る課税価格の80%に対応する相続税額が猶予されます。この制度は事業円滑化法施行日(平成20年 10月1日予定)以後の相続等から適用されます。
なおこの制度の創設により現行の特定同族会社株式等に係る相続税の課税価格の計算特例(一定の要件を満たした場合に株式の10%を減額する)は経過措置を講じたうえで廃止されます。


(2) 相続税課税方式の見直し
相続税の課税方式の見直しが検討されることになりました。現在相続税は、被相続人の遺産の総額から相続税額を計算する「法定相続分課税方式」であり、遺産分割の内容にかかわらず、原則として相続税の総額は変りません。
ところが「遺産取得課税方式」が適用されることになると、相続人等が実際に取得したそれぞれの財産に相続税率を乗じて相続税額が算出されます。そのため遺言や遺産分割の内容によっては相続税の総額が変動し、相続税額が増減することがあります。具体的な計算方法は平成21年度以後の税制改正において公表される見込みですので、平成20年中の相続については現行の「法定相続分課税方式」により課税されます。

 

2.相続税の総合的見直し

平成20年度の税制改正検討の場では基礎控除額の見直し(現行の「5,000万円+1,000万円×法定相続人の数」の減額)も取り上げられております。「相続税の課税方式の改正」とともに「基礎控除額の見直し」など抜本的な改正も予想されます。これらの改正が事業承継対策、相続税対策などに与える影響は大きいと予想されるため、その改正の動向に注目しタイムリーにお知らせしてまいります。