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TSKニュース&トピックス

平成21年10月号

IFRS(国際財務報告基準)について

公認会計士 阿部


1.IFRSとは何か

国際財務報告基準(International Financial Reporting Standards、IFRS)とは、世界的に承認され遵守されることを目的として、国際会計基準審議会(International Accounting Standards Board、IASB)によって設定される会計基準で、日本では「国際財務報告基準」または「国際会計基準」と呼ばれます。また、IFRSの読み方としては「アイファース」「イファース」「アイエフアールエス」等があり、まちまちです。

2.各国の導入状況と日本の対応

このIFRSは欧州各国、中国等の諸外国ではすでに採用され、インド、韓国等も2011年には移行する予定です。また、自国の会計基準にこだわりを持ってきた米国もIFRS適用に方針変換しました。
日本では、これまで日本の会計基準とIFRSとの相違点を徐々になくす調整を行ってきましたが、米国の変化に合わせるように、上場企業を対象に2010年3 月期からIFRSの任意適用を認め、早ければ2015年からの強制適用することを含めた最終判断を2012年中に行う予定となっています。
 

3.IFRSで変わる利益概念と財務諸表

IFRSを導入した場合、現行の日本の会計基準と比べ、下表のように利益概念と財務諸表の区分等が大きく変わります。

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4.その他各個別項目の変更

IFRSによれば、上記のような利益概念や財務諸表の区分といった大枠の変更だけでなく、以下のような個別項目の処理についても変更される予定のため、適用した際には多大な影響が出ることが想定されます。
●収益の認識基準変更(出荷基準から着荷基準へ)及び純額表示(商社等にて 取扱金額全額から手数料のみの収益計上へ)、
●のれん代の非償却(ただし、減損テストは毎期実施)、
●棚卸資産の後入先出法の廃止、
●退職給付債務の一括償却、
●資産除去債務やリース会計の適用範囲拡大、
●減価償却における耐用年数 等 (※既実施のものもあり)
 

5.IFRS適用による今後の動向

先に記載したよう、このIFRSの適用対象は上場企業とされており、その他の企業においては当面は直接関係するものではないと考えられます。しかし、上場企業のグループ会社や、株式公開を予定している会社は当然に影響を受けます。また、IFRS自体の内容も現在も協議検討が継続的に行われているため、今後の IFRSの動向にも注目が必要です。