お問合せ
ENGLISH
メニューを開く

アクセスマップサイトマップ
個人情報保護方針


[東京本部]
TEL 03-4574-6688(代表)
受付 9:00〜19:00(平日)

TSKニュース&トピックス

平成28年3月 第2号

国外財産調書の価額とは!?

税理士 吉濱 康倫

№161号では国外財産調書の概要についてご説明いたしました。その中で、居住者がその年12月31日において、合計5,000万円超の国外財産を保有している場合には、国外財産調書を作成し提出しなければならないとご説明いたしましたが、そもそも財産が5,000万円を超えているかどうかはどのように判定すればいいの?と疑問に思われた方もいらっしゃることと思います。そこで本号では、国外財産の価額が5,000万円を超えるかどうかの判定及び調書に記載する国外財産の価額の算定方法についてご説明して参ります。

【国外財産の価額】

調書に記載する財産の価額は、それぞれの財産に係る「時価」又は時価に準ずるものとして「見積価額」によることとされています。「時価」とは、「その年の12月31におけるその財産の現況に応じ、不特定多数の当事者間で自由な取引が行われる場合に通常成立すると認められる価額をいい、その価額は、専門家による鑑定評価額、金融商品取引所等の公表する同日の最終価格」などをいいます。また、「見積価額」とは、「その年の12月31におけるその財産の現況に応じ、その財産の取得価額や売買実例価額などを基に、合理的な方法により算定された金額」を言います。しかし「時価」や「見積価額」はその算定が煩雑である場合が多く、保有している財産の一つ一つの「時価」や「見積価額」を算定することは極めて困難であると言えます。

【国外財産の見積価額の例示】

そこで「見積価額」については、その財産の区分に応じて、次のような方法により算定しても差し支えないこととされております。

0309.bmp                                                              (国税庁 HPより抜粋)

国外財産調書を提出期限内に提出した場合には、記載がある国外財産に関して所得税・相続税の申告漏れが生じても、過少申告加算税等が5%減額されます。ただし、提出期限内に提出がない場合又は提出期限内に提出した国外財産調書に記載すべき財産の記載がない場合に、その財産に関して所得税の申告漏れが生じた時は、過少申告加算税等が5%加重され、国外財産調書に偽りの記載をして提出した場合又は正当な理由なく提出をしなかった場合には、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられることとなるため、ご留意ください。