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TSKニュース&トピックス

令和3年9月 第3号

新型コロナウイルス感染症の影響と今後の支援策の動向

FAS部門 大月 潤一

新型コロナウイルス感染症は、変異株による感染拡大が続いています。帝国データバンクや東京商工リサーチが公表した調査・アンケート結果を踏まえ、現在の企業環境と今後の動向について解説します。

①2021年1-6月の全国企業の「休廃業・解散」動向調査

2021年1-6月の全国企業の「休廃業・解散」動向調査の結果では、2021年1-6月の休廃業・解散件数は28,400件、倒産件数は3,083件でした。これは2020年同期のそれぞれ29,780件、3,943件と比較しますと減少しています。

②債務の過剰感

上記の減少は、政府や金融機関の支援策がセーフティネットとして機能した結果と考えますが、東京商工リサーチが8月に行った債務の過剰感に関するアンケート調査では中小企業の35.7%が「債務過剰」と回答し、6月の同調査では34.2%から1.5ポイント悪化していることを踏まえれば、業績改善と過剰債務の解消が今後の大きな課題であることは明らかです。

③業績改善と過剰債務の解消に向けて

経済産業省のHP (https://www.meti.go.jp/covid-19/pdf/pamphlet.pdf?0902)では、新型コロナウイルス感染症の影響を受けている事業者向けのサポートメニューを随時更新しております。
現在の支援策の一部を例にあげると、資金繰り支援として「新型コロナウイルス感染症特別貸付」、「危機対応融資」、「新型コロナ特例リスケジュール」等、給付金として「月次支援金」、新事業支援として「中小企業等事業再構築促進事業」等々があります。話題となった「中小企業等事業再構築促進事業」は全申請のうち45%が採択されるなど、思いのほか採択されている印象を受けます。申請には、認定支援機関と作成した事業計画が必要になるため、申請をお考えの場合には、お気軽に弊所までお声かけください。また、令和4年度の経済産業政策の重点が8月末に公表されましたが、コロナ禍の事業者に対する資金繰り支援、月次支援金の給付、イベントの再開支援など、厳しい状況に直面する事業者に対する支援継続のほか、事業再構築補助金(令和2年度三次補正:1 兆 1,485 億円)について、随時運用改善を行いながら、新分野展開や業態転換等の果敢な取組を支援するとともに、併せて下記の事業承継・引継ぎ・再生を推し進めるとしています。

  • ものづくり等高度連携・事業再構築促進事業【25.4 億円(新規)】
  • 中小企業再生支援・事業承継総合支援事業【159.1 億円】
  • 事業承継・引継ぎ・再生支援事業【47.1 億円】 等

加えて、コロナの影響の長期化への対応や賃上げ原資の確保等のため、生産性革命補助金(令和元年度補正︓3,600 億円、令和 2 年度三次補正︓2,300 億円)を通じた設備投資・販路開拓・IT導入の促進、賃上げが可能な環境の整備にも寄与する「生み出した価値を中小企業・小規模事業者に着実に残す」ための取引環境の改善や、よろず支援拠点・中小企業支援機関による経営相談体制の強化等を行うとしています。
これらの詳細は、今後明らかにされていきますので、その段階であらためてご案内いたします。

執筆者紹介

FAS部門 大月 潤一

大手監査法人にてITシステムの内部統制評価の監査業務を経て髙野総合会計事務所に入所。現在は中小企業の事業再生業務、M&Aのデューデリジェンス業務に従事しています。