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TSKニュース&トピックス

平成27年2月下旬号

CF分析から視るスカイマークの破綻

公認会計士 鏡 高志

最終回の今回は、CF(キャッシュ・フロー)分析の視点からスカイマークの破綻について、考察してみたいと思います。  

 

1月28日に国内第3位航空会社であるスカイマークが民事再生法の申立を行いました。

当第1四半期に多額の営業損失を計上し、A380型機の購入契約の破棄と解約違約金の支払いをエアバス社から求められた結果、継続企業の注記が打たれるなど、ここ1年程度の業績は明らかに厳しい状況でしたが、5年程度の時間軸に引き延ばし、PLの側面、CFの側面からそれぞれ分析すると、異なる顔が見えてきます。

(図1)は過去5年の売上高、営業利益の推移です。

H25/3月期以降の伸び率は鈍化しているものの、毎期増収を達成しています。営業利益が、H25/3月期、H26/3月期と急速に悪化しているようにも見えますが、H25/3月期の営業利益率は5.4%と、過去3期の全日空の平均営業利益率6%と遜色なくH26/3月期に変調が顕在化したという見方もできます。
 

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一方、(図2)は同時期の営業CF・投資CFの推移です。

CFから視た場合、H23/2月に契約したエアバス6機の購入(約1500億円 当時1㌦=83円で換算)を境に、状況が一変します。H23/3月期までは、営業CFの範囲内で設備投資を実行できていたのに対し、H24/3月期以降のFCF(=営業CF-投資CF)は大幅にマイナスとなっています(明らかな過剰投資)。

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特に、H24/3月期の営業利益は153億円と最高益を計上し、スカイマークの成長戦略が成果を見せる一方で、さらなる成長戦略の核であるエアバス購入により、FCFはマイナスに転落と、戦略綻びの兆しが見受けられます。

結果論ではありますが、企業の業績はPLだけでは十分に計ることができず、CFについても注意を払わなければなりません。CF計算書を作成し、会社の資金の流れを把握することで、PLでは見えなかった事実が顕在化することもありますし、設備投資等の意思決定には、CFの観点からの検討が不可欠です。資金繰り表の精度が今ひとつ、あるいはそもそも作っていないという会社は要注意です。

CF分析や資金繰り表の作成支援については、弊所担当税理士・会計士にお問い合わせください。

TSK Information

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