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TSKニュース&トピックス

令和3年5月第3号

製造業における収益認識基準適用の留意点

FAS部門所属 シニアスタッフ 公認会計士 前田 俊 

2021年4月1日以後開始する連結会計年度及び事業年度の期首より、上場企業等の会計監査を受ける会社に強制適用される『収益認識基準』について、日本公認会計士協会より「Q&A 収益認識の基本論点(追補版)」が公表されました。今回はこのうち製造業特有の論点である「製品販売契約と据付けサービスの提供」及び「製品保証」をご紹介します。

①製品販売契約と据付けサービスの提供

製造業においては、製品の出荷・納品とともに、据付け作業が必要になることがあります。契約において約束した財又はサービスに製品の引渡しと据付けサービスが含まれている場合、これらが別個の履行義務か否かを判断する必要があります。

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①について、製品又は据付サービスから単独で顧客が便益を享受できる場合(例えば、製品を使用した場合より高い金額で売却可能)、もしくは、財又はサービスと顧客が容易に利用できる他の資源を組み合わせて顧客が便益を享受できる場合(例えば、容易に他の業者の据付けサービスにより製品が使用可能)は、別個のものになる可能性があります。
②については、顧客に移転する義務の履行に係るリスクが、他の約束の履行に係るリスクと区分できるか否かが判断の基礎となります。「適用指針」では、他の約束と区分して識別できない例示として、重要な統合サービスの提供、著しい修正又は顧客仕様への変更、高い相互依存性又は相互関連性の例が挙げられています。

②製品保証

製品を販売する際に、不良に対する製品保証やサポート等を一定期間無償で提供する場合があります。この製品保証に関する会計処理は以下のとおりになります。

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上表⑵の追加的な保証サービスを含むかどうかは、例えば、以下の要因を考慮して判断します。

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上記以外にも、海外取引、値引き・リベート・割戻し、出荷基準、有償支給取引等も検討が必要になります。具体的な検討においてお困り事などがございましたら是非ご相談ください。

執筆者紹介

前田 俊 FAS部門所属 シニアスタッフ 公認会計士
監査法人で製造業、サービス業、社会福祉法人等の監査業務に従事した後、髙野総合会計事務所に入所。現在は、FAS部門にて企業再生、M&A等のデューデリジェンス業務等に従事。