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令和4年度10月第2号

所得税における為替差益の認識について

個人資産部門 谷部美帆

昨今の急激な為替相場の変動により、米ドルについては年初から約 30円も円安となり、輸入品の価格高騰等による家計への打撃は大きなものとなっております。一方で、外貨建資産の運用等で円安に伴う為替差益による恩恵を受けている場合もあるかと思います。そこで今回は、外貨建取引による為替差益について、所得としての認識を失念しがちなケースを具体例を通してご紹介したいと思います。

【1】外貨建取引とその取扱い

外貨建取引とは、外国通貨で支払いが行われる資産の販売及び購入、役務の提供、金銭の貸付け及び借入れその他の取引のことを言います。また、国内に住んでいる個人(居住者)が外貨建取引を行った場合の円換算額は、その時の外国為替の売買相場により換算した金額として、各種所得の金額を計算する必要があります。

【2】具体例

例1:120万円の日本円を1万米ドルに交換し、その1万米ドルを9,000ユーロに交換した場合

ユーロに交換したときの円換算額と、当初米ドルに交換した際の円換算額を比較した際、ユーロに交換した際の円換算額の方が大きい場合には、その差額を所得として認識する必要があります。それぞれの通貨の交換時における円換算額の差額が、収入すべき金額として実現したものと考えられるため、所得として認識する必要があります。
 (認識する所得額)下記表より 1,350千円-1,200千円=150千円

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例2:外貨預金20万米ドルを払出、米国内にある貸付用の建物を20万米ドルで購入した場合
外貨預金預入時の円換算額と貸付用建物購入時の円換算額を比較した際、貸付用建物購入時の円換算額の方が大きい場合には、その差額を所得として認識する必要があります。新たな経済的価値を持った資産が外部から流入したことにより収入すべき金額が実現したものと考えられるため、建物購入時の円換算額とその購入に充てた外国通貨取得時の円換算額との差額を所得として認識する必要があります。
(認識する所得額)下記表より 24,000千円-20,000千円=4,000千円

1012.jpg

【3】最後に

所得として認識した場合は、所得の額から経費を控除した額を、雑所得として申告する必要があります。また、給与収入(2,000万円以下)のみの方などは、その年の雑所得の額が20万円以下の場合には確定申告は不要ですが、住民税の申告は行う必要があります。

意外と厄介な雑所得ですので、お困りの際は、弊事務所までご相談いただければと思います。

執筆者紹介

個人資産部門 谷部美帆

相続税申告の他、相続対策や事業承継等個人資産税業務を中心に、上場企業の関係会社及び中小企業の決算業務、法人税申告業務、税務相談業務にも従事しています。