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税制適格ストックオプションについて

個人資産税部門 大河原 真吾

 令和6年度改正において税制適格ストックオプションに係る年間権利行使価額が引上げられた事等により、今後、ストックオプション制度の利用が増加することが見込まれます。本稿では「税制適格ストックオプション」について、改正の内容も含め、改めて紹介します。

1.ストックオプション課税の基本

ストックオプションとは、会社が自社の従業員等に対して付与する自社株式を一定の期間内にあらかじめ定められた権利行使価格で購入することができる権利をいいます。ストックオプションは、取得から売却までの段階に区別すると、①ストック・オプションを取得した時、②権利を行使したとき、③株式を譲渡したときに分けられます。ストックオプションに係る税制には「税制適格ストックオプション」と「税制非適格ストックオプション」の2種類があります。2つの税制の違いは次表の通りとなります。「税制適格ストックオプション」を活用すると、権利行使時に給与所得課税が行われず、株式売却時に20%の譲渡益課税が行われるのみとなります。

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2.税制適格ストックオプションの主な要件

税制適格ストックオプションを適用するための主な要件は次表の通りです。

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3.令和6年税制改正による主な改正事項

税制適格ストックオプションの上表の要件の内部分につき令和6年度の税制改正において改正が予定されています。

(1)権利行使限度額の拡大

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(2)特定従事者に係る要件の見直し

 認定新規中小企業者等の要件のうち、新事業活動の投資等を行うことを業とする者が新規中小企業者等の株式を最初に取得する時の「資本金5億円未満かつ常時使用従業員数が900人以下」の要件が廃止されます。また、上場会社の役員は実務経験が3年以上から1年以上に短縮されます。国家資格保有者、博士学位取得者、高度専門職の在留資格者は実務経験要件が廃止されます。また「教授及び准教授」、「上場会社の重要な使用人として1年以上の実務経験がある者」等が新たに加えられます。

(3)保管委託要件の緩和

新株予約権の行使会社が株式等の管理を行うことを要件に「金融商品取引業者等の保管委託」が不要になります。

執筆者紹介

個人資産税部門 大河原 真吾

相続税申告のほか、相続対策や事業承継など、個人資産税業務に従事しています。