中小企業活性化協議会の支援動向
FAS部門 公認会計士・税理士 田中 信宏
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中小企業庁から2025年6月付で「中小企業活性化協議会の活動状況について ~2024年度活動状況分析~」、2025年10月15日付で「2024年度に認定支援機関が実施した中小企業再生支援業務に関する事業評価報告書」が公表されておりますので、今回はこれらの公表資料に基づき、2024年度における協議会の支援件数とその概要をご紹介したいと思います。
1.相談対応件数と支援完了件数の推移
2024年度は相談件数及び支援完了件数ともに前年比で増加しており、コロナ融資の返済開始、近年のエネルギー価格、物価上昇、人手不足の影響など、収益及び資金繰り状況の悪化を背景に相談件数が増加傾向となっています。支援完了件数のうち、保証債務を整理し、経営者の新たな創業や転職を支援する再チャレンジ支援が特に増加傾向であり、全協議会に弁護士職員を配置したことに加え、前述の収益及び資金繰りの悪化が長期化している点が要因として挙げられています。なお、再生計画策定完了件数のうち、プレ再生案件が737件、再生支援が381件となっており、収益確保が厳しい環境が継続する中、本格的な計画への準備段階であるプレ再生案件が引き続き大半となっています。
2.売上規模と業種別の再生計画策定完了件数の推移
再生計画策定完了件数を売上規模別にみると、引き続き協議会案件は1億円超~5億円以下がボリュームゾーンであるものの、前年比で1億円以下の企業も増加に転じており、体力のない小規模事業者が厳しい状況であることも伺えます。業種別では、製造業及び卸売・小売業が大きな割合を占めている点は同様ですが、近年のインバウンドの恩恵を受けている飲食・宿泊業が低下している一方で、人手不足等の影響が特に大きい運輸業や建設業が増加しているものと推察されます。

弊事務所は通常の税務顧問業務に加えて、前述の活性化協議会を含めた再生支援業務など幅広いコンサルティング実績も多数ございますので、お困りごとがございましたら是非ご相談ください。
<執筆者紹介>
FAS部門 公認会計士・税理士 田中 信宏
大手監査法人で国内監査業務に従事した後、事業会社の税務部門に従事。その後、税理士法人高野総合会計事務所に入所。現在はFAS部門にて企業再生、M&Aのデューデリジェンス業務、バリュエーション業務等に従事。