給与所得者の特定支出控除について
コーポレート部門 俵谷 文武
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令和8年度税制改正で、物価高に対応するため給与所得控除の最低保障額が増加しました。会社員などの給与所得者は所得計算上、収入金額から給与所得控除額を差し引いて計算し、給与所得控除額は給与収入に応じて計算されます。しかし、給与所得者が所定の要件を満たせば、給与所得控除額を超える金額を控除できる制度が存在します。それ「特定支出控除」制度です。
1.制度の概要
給与所得控除は、給与所得者の勤務費用を概算で控除するという性質を有しておりますが、特定支出控除は、勤務費用の一部を実額で控除する制度です。
給与所得者のその年中の特定支出の額の合計額が、給与所得控除額の2分の1を超える場合に、その超過分を給与所得控除額に加算して控除することができます。制度を適用した場合の給与所得は、次のように計算されます。
3.控除を受けるための手続き
⑴給与所得者は、上記の特定支出に関する証明の依頼書を勤務先に提出し、証明書の交付を受ける必要があります。ただし、令和5年分以降の教育訓練に係る研修費または資格取得費については、キャリアコンサルタントが交付する証明書でも可能です。
⑵勤務先やキャリアコンサルタントは、上記書類の記載事項が適正に記載されてることを確認し、その支出がその者の職務遂行に直接必要であると認められる場合に、給与の支払者またはキャリアコンサルタントの証明書を給与所得者に交付する必要があります。
⑶給与所得者は、確定申告を行う必要があります。その際、特定支出に関する明細書および、給与の支払者またはキャリアコンサルタントが交付した⑵の証明書を申告書に添付しなければなりません。併せて、特定支出に係る領収書など、その支出の事実および支出した金額を証する書類を申告書に添付または申告書を提出する際に提示する必要があります。
執筆者紹介
コーポレート部門 俵谷 文武
2026年3月に大学院を修了し、4月に髙野総合会計事務所に入所。上場企業の子会社及び中小企業を中心に決算業務や申告書作成などの業務に従事しております。少しでも社会に貢献できるよう日々精進してまいります。
Column
日銀は2026年6月の金融政策決定会合で政策金利について0.75%から1.0%へ0.25%引き上げることを決定しました。金利上昇局面では、企業は「利益」と「資金繰り」の両面への影響を確認する必要があります。中小企業白書においても、借入金利の上昇は支払利息を増加させ、借入依存度の高い企業ほど経常利益を圧迫するとされています。また、金利の上昇により、既存借入金の借り換えや返済計画の見直し、価格転嫁などが必要となる可能性や、設備投資の採算基準が厳しくなり投資判断に影響を及ぼす可能性もあります。
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